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ステマ規制をざっくり解説④―令和5年景表法改正―

広告案件が来たが、結局何をすればいいの?

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これまでは何がステマ規制の対象となるか、対象とならないか、ということを説明してきました。
それでは、広告案件が来た!という場合どうしたらいいのでしょうか。

多くの方は「広告」や「PR」と記載すればいいと思っていると思います。
結論からいえばその通りですが、落とし穴もあるので少し細かく見ていきましょう。


事業者の表示であることの明確化

法律が求めているのは、「一般消費者にとって事業者の表示であることが明確になるようにしてください」ということです。

分かりやすく言えば、化粧品メーカーがインフルエンサーに公告となる投稿を依頼した場合、「この投稿は、化粧品メーカーの依頼を受けているんだな・化粧品メーカーの広告案件だな」というのが一見してわかるようになっていればいいわけです。

YouTuberの方が、企業案件の場合に、冒頭に「今回は●●社さんの広告案件となっております~」と言っていれば、このYouTuberは会社の依頼を受けて投稿をしていることが明確にわかりますよね。

では、どういったことを記載したら良いか、見ていきましょう。

①広告であることはしっかりとした説明をすること

まずは、上記のように、冒頭で経緯(広告案件であること)をきちんと説明することは一つの案です。
「今回は●●社さんの広告案件となっております。」と投稿や動画冒頭で言っていれば広告であることは明確です。

ちなみに、例えば、YouTubeの動画の最後に説明する場合は、タイトルに「広告」とつけたり、動画冒頭に「プロモーションを含みます」と表示させる優良プロモーション申告の設定を行うべきです。

②「広告」、「宣伝」、「プロモーション」、「PR」というフレーズ

これらの言葉は一般的に広告案件であることを示す言葉として認知されてきています。
これらの言葉をわかりやすく表示しておけば問題ありません

ただ、これらの記載は、投稿を見た方にわかりやすく表示されている必要があります。
例えば、以下のような場合は、違反となりうる表示になってしまいます

  • 「広告」という字が小さかったり、文中に埋もれていたり、色が薄かったりと一見して見つかりにくい場合
  • ハッシュタグで「#広告」としているが、大量のハッシュタグの中に埋もれて見つけにくくなっている場合

また冒頭にわかりやすく「広告」と書いておきながら、文の中では広告ではないと思わせるような内容を書くのはNGです。

なるべくわかりやすいところに、きちんと広告とわかるように記載をすることを心がけましょう。

ちなみに、テレビのCMは、CMかどうか見ればわかることがほとんどですよね。あれば見れば普通はCMだとわかるので「これは広告です」とは記載しなくてもいいということになっています。

ただ、最近、情報バラエティー番組等で、番組のセットで出演者がスポンサー商品を紹介しているCMがありますが、これは番組の続きなのかCMなのかわかりません。そのため、そういったCMには「これはCMです」と書かれています。

これらの言葉(「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」)以外についてですが、消費者庁が行った意識調査の結果、あまり広告と理解されていないものも多くありましたので、他の短い言葉をで表示をする場合には注意が必要です。

③SNS・サイトの機能を使う場合

YouTubeの動画冒頭に「プロモーションを含みます」と表示させる優良プロモーション申告はこの一例です。

インスタグラムにはタイアップ投稿機能があります。
このタイアップ機能が現時点でどれだけ一般に浸透しているかというとやや疑問もありますし、明確な見解も見当たりませんでした。

ただインスタグラムのヘルプセンターをみるとタイアップ機能は、「その投稿をシェアした人と言及されているビジネスパートナーとの間に商業的な関係があり、シェアした人が投稿によって何らかの方法で報酬を受けていることを意味します。」()と記載されているため、広告であることを示すための機能として浸透していくことが期待されます。


最後に

今回でステマ規制のざっくり解説は終わりです。
規制の対象となるかどうか、というのが一番微妙な判断を迫られるのではないでしょうか。
一番大切なのは、投稿を見た人が騙されたと思わないかどうかです。

誠実な投稿をすることが最も大切なポイントなのです。


執筆者:弁護士 松坂拓也
ステマ規制についてお悩みの方はお問い合わせください。

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